先生、薬、いつまで飲みますか?

「もう3年通ってるけど、先生と話すのは毎回長くても10分。
薬は変わるけど、私の人生は変わらないのよね…。」
ある日、待合室でとなりに座った方がつぶやきました。
ある日、待合室でとなりに座った方がつぶやきました。
思わず、心の中で「わかる」とつぶやいてしまいました。
日本の精神科、特に保険診療での医療機関では、
どうしても「短時間診察+薬物療法」がスタンダードになりがちです。
これは構造上の事情もあって、精神科医の先生方が悪いわけではありません。
日本では、ひとりの先生が、1日に何十人も診るシステムなのです。
ただ、そこで「合わない薬を調整しながら様子を見る」を何年も続けてしまうと、
まるで終わらない通院の旅に出たような気持ちになってきます。
もちろん、薬が助けになる場面はたくさんあります。
夜眠れるようになった。気分が少し落ち着いた。パニックが減った。
とても大切なことです。
でも、なかなか根本的な改善が見えない場合、
ちょっと立ち止まってみるのも一つの手。 たとえば、こんな問いを自分にしてみてください。
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「私の話、ちゃんと聴いてもらえてるかな?」
「生活環境とか、仕事や家族のことも含めて、相談できてるかな?」
「このまま続けて、私は元気になっていけるかな?」
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もし、うーん……となったら、それはセカンドオピニオン日和かもしれません。
「転院」と聞くと、なんとなく裏切り行為のように感じる方もいますが、
実際は全然そんなことありません。
むしろ医療の世界では、セカンドオピニオンは当然の権利です。
転院といっても、元の病院に戻ることだってできますし、
「別の角度から話を聞いてみたいな」と軽やかに考えても良いのです。
時には、医療機関だけではなく、
心理職(臨床心理士・公認心理師)、就労支援、福祉の専門家など、
視野を広げてチームで支援を受ける方が、
自分に合った道が見えてくることもあります。
例えるならば――
薬は消化器。
心の中に火がついてしまったとき、薬は大事な消火器。
でも、何が火元だったのか、どうすれば再発を防げるのかは、
誰かと腰を据えて一緒に考える必要があります。
誰かと腰を据えて一緒に考える必要があります。
ただ火を消し続けるだけでは、またどこかで煙が上がってしまうかもしれません。
例えるならば――
薬は杖。
薬は、足元がおぼつかないときに支えてくれる、杖のようなもの。
でも、どの道を選び、どこを目指すかを考えるためには、
道端でちょっと立ち止まって、誰かと一緒に地図を広げて話す時間も必要です。
道端でちょっと立ち止まって、誰かと一緒に地図を広げて話す時間も必要です。
必要な人に、必要な支援が届きますように。
治療の旅路の中で、「ちょっと寄り道して良かったな」と思える場所が、見つかりますように。


